建設業の「事務所労災」とは? 加入が必要になる仕事について

2026.10.11

建設業では、工事現場で働く従業員のための労災保険とは別に、会社の事務所や資材置き場などで働く従業員のための労災保険が必要になることがあります。

この保険を一般に「事務所労災」といい、「事務労災」とも呼ばれたりします。

石川労働局でも、建設業の事業主の方に向けて、事務所労災の加入について案内しています。

建設業には2種類の労災保険があります

労働保険には「労災保険」と「雇用保険」があります。

建設業は、この2つの保険を別々に手続きする「二元適用事業」にあたります。

さらに、建設業の労災保険は、仕事の内容によって次の2つに分かれます。

① 現場労災(工事労災)

工事現場で働く従業員のための労災保険です。

原則として、自社で元請け工事をする場合に加入が必要となります。

② 事務所労災(事務労災)

事務員がいる場合にはもちろん加入を要しますが、事務員がいなくても、「特定の工事現場に関係しない仕事」を行う従業員がいるときには入ることが必要です。

どんな仕事に事務所労災が必要なの?

例えば、従業員が次のような仕事をする場合です。

  • 会社の資材置き場で、材料や道具の片付けをする
  • 会社の敷地内で、除雪作業をする
  • 事務所で、見積書や請求書などの書類を作成する
  • 会社の倉庫や建物の修理をする
  • 自社の重機や工具の清掃、整備をする

これらの仕事が特定の工事現場に関係しない仕事である場合、事務所労災の対象となります。

なお、同じ資材置き場での作業でも、特定の元請工事のために材料を準備する場合などは、その工事の労災保険の対象となることがあります。

仕事をした場所だけでなく、どの工事に関係する作業なのかが大切です。

また、事務員を雇っていない会社でも、現場作業員がこうした仕事を行う場合や、今後行う見込みがある場合には、事務所労災の手続きが必要です。

実際にけがをしたら、どの労災を使うの?

従業員が仕事中にけがをした場合、どの労災保険を使うのか、具体例で見てみましょう。

① 下請会社の従業員が、元請の工事現場でけがをした

→ 元請会社の現場労災を使います。

② 自社が元請となっている工事現場で、従業員がけがをした

→ 自社の現場労災を使います。

③ 自社の資材置き場で、特定の工事に関係しない片付け作業中にけがをした

→ 自社の事務所労災を使います。

例えば、普段は現場で働いている従業員でも、会社の敷地内で除雪作業をしていてけがをした場合には、事務所労災の対象となることがあります。

自社の加入状況を確認しましょう

事務所労災は、最近新しくできた制度ではありません。

今回、石川労働局でも、建設業の事業主の方に向けて、事務所労災の加入手続きについて改めて案内しています。

現場作業員しかいない会社でも、会社の資材置き場の整理や除雪など、特定の工事に関係しない仕事を行うことがあれば、事務所労災が必要になる場合があります。

まだ手続きをしていない場合は、従業員がどのような仕事をしているか確認し、必要な手続きを進めるようにしましょう。

参考資料

この記事を書いた人

小山内 俊平

行政書士・社会保険労務士
小山内 俊平おさない しゅんぺい

小山内合同事務所 代表(石川県金沢市)

はじめまして。石川県金沢市を拠点に、富山県、福井県の北陸三県で、企業の許認可申請や「ひと」に関わる手続きをお手伝いしております。 手続きはあくまでも手段です。その先にあるお客様の事業の成功と発展をサポートすることを第一に考え、お客様の話を丁寧にお聞きし、目指す目的地への一番の近道を一緒に探すことを心がけています。 建設業許可の申請では、これまで石川県内の多くの個人事業主様や法人様からご相談をいただいてまいりました。専門的な内容を、できる限りわかりやすく、丁寧にお伝えしますので、どんな些細なことでも、まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。

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